協会本館
協会本館

—協会について—


■日本ヴェーダーンタ協会は、インドのコルカタ市郊外ベルルに本部をおく、「ラーマクリシュナ・マート・アンド・ミッション(僧団ならびに奉仕団:通称ラーマクリシュナ・ミッション)」の日本のセンターです。
 ラーマクリシュナ・ミッションは、近代インドの聖者シュリー・ラーマクリシュナの没後、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダを中心とする、当時20歳代の弟子たち十数名によって結成されました。


 日本ヴェーダーンタ協会は1959年、シュリー・ラーマクリシュナが伝えるヴェーダーンタ思想に関心を持つ人々によって設立されました。以後、会誌『不 滅の言葉』の刊行を含むささやかな出版活動などを通じて次第に同志が集まり、1984年にラーマクリシュナ・ミッションの正式なセンターとなりました。以 来、同僧団のスワーミー(僧)を長として迎えています。現在はスワーミー・メダサーナンダの指導のもとに一切の活動を行っています。

ホーリーマザーズハウス付近の景色(富士山と海)
ホーリーマザーズハウス付近の景色(富士山と海)
ホーリーマザーズハウス
ホーリーマザーズハウス

ホーリーマザーズハウスは、2005年女性のゲストハウスとして建てられ、落成式にはデリーからゴクラーナンダジが来日し、プージャ(儀式)を行いました。

現在2階が宿泊施設、1階が本やCDなど大量の出版物の倉庫となっております。

ラーマクリシュナ・ミッションの創設

 スワミ・ヴィヴェーカーナンダが霊的な奉仕から物質的な奉仕に至る、あらゆるレベルにおける奉仕――僧も信者も一般大衆も協力できる奉仕――のための組織を発足させる意図をもっていたことは、すでに私たちの注意してきたところである。従って、彼がダージリンから帰ると、全僧院とシュリ・ラーマクリシュナの俗人の弟子の会議を招集した。会議は一八九七年五月一日土曜日午後三時に、バララーム・バーブの家で行われた。全員が集まったところで、スワミのベンガル語による次の言葉で、会議は始まった。


 私があちこちの国を旅して得た結論は、組織なしでは、何か大きなこととか永続性のあることはできないということです。だが、インドのような国において、現在の発展段階にあっては、民主主義を基盤にした組織を作るのがいいとはとても思えない。つまり、全員が平等の発言権を有し、多数者の投票で決定に至るというものです。西洋では事情が違います。……私たちでも、教育が普及して、自己犠牲や個人の利害関心を越えることを学んで、共同体や国民一般のためになることをするようになれば、民主主義的基盤で行動することが可能になるでしょう。この点を考慮に入れて、当分の間私たちの組織には議長を置き、皆がその人の指示に従うということにしようではないか。そして、機が熟すれば、組織のメンバーの意見と同意によって運営されるようになってゆくでしょう。


 この組織は、その人の名において私たちがサニャーシンになったお方の名前を帯びることになろう。このお方を諸君の理想として掲げ、家住者として諸君はこの世(サンサーラ)で活動している。このお方の聖なる御名、それにこのお方の独自の生き方と教えは、このお方が亡くなられてから十二年も経たない間に、思いもかけない形で東西両洋に拡がっていった。従って、このサンガ(僧伽=組織)をラーマクリシュナ・ミッションと名づけようではないか。私たちは師のただの従僕にすぎない。師よ、どうか私たちの仕事をお助け下さい!


 この提案はすべての家住の弟子たちによって熱狂的に支持された。将来の行動準則が論議された。この五月一日の会議において、ラーマクリシュナ・ミッション・アソシエーションは設立された。そして五月五日の第二回会議で、運動運営の主原則と運動の目的・対象を起草する決議案が可決された。オリジナル草案は左記のごとくである。
 本組織(サンガ)をラーマクリシュナ・ミッションと命名する。今後はこの名で知られてゆくことになろう。


 このサンガの目的は、シュリ・ラーマクリシュナが説いた真理を伝道することである。その真理は、人類の福利を願って説かれ、自身の生活に応用して証明したものであり、人々が時間的に、精神的に、霊的に前進してゆくためにこれらの真理を生活の中で実践してゆくのを助けるためのものである。


 本ミッションの任務は、シュリ・ラーマクリシュナによって始められた運動の諸活動を心正しき人々に伝え、異なる宗教の信者の間に友情や親交を育み、それらの人々に、様々な宗教の形態はあるけれども、一つだけ不死で永遠の宗教があることを知らしめることである。

行 動 準 則


(a)人々を訓練して他の人々を教導する能力を与え、大衆の物質的・霊的福利に資する知識や学問を伝える
(b)諸々の技芸と産業の促進と奨励
(c)一般大衆の間にヴェーダーンタおよび他の宗教の理念を紹介し普及させ、その過程でシュリ・ラーマクリシュナの生涯について理解を図る

インド作業部


 ミッションの活動はインド各地のマート(僧団)とアーシュラマ(道場)の建設に向けらられる。それらはサニャーシンと家住者の教育に充てられる。家住者はほかの人々の教育に喜んで生涯を捧げるような人が望まれ、資金や手段を確保して教育を可能ならしめ、州から州へと移動しながら教育に当たる


外 国 部
 訓練された教団のメンバーをインド以外の諸国に派遣し、その地にセンターを設立してヴェーダーンタの教えを拡め、もってインドと諸外国との間の緊密な関係とよき相互理解をもたらす


 ミッションの目的と理想は純粋に霊的・人道的であって、政治とはいかなる関係も持つことはない。


 シュリ・ラーマクリシュナの使命を信じ、あるいはそれに共感し、あるいは本協 会の上記の諸目的と対象に協力を望まれる人は、会員に推挙される資格を有する。


日本ヴェーダーンタ協会の理想と活動

 

スワミ・ブテシャーナンダ
(ラーマクリシュナ・マートおよび

ラーマクリシュナ・ミッションのプレジデント)
  
第一回総会より

 私は、日本ヴェーダーンタ協会が、スワミ・ヴィヴェーカーナンダの師であるシュリ・ラーマクリシュナの名のもとに設立したラーマクリシュナ・ミッションのセンターとなって最初の総会に、こうして皆さんとともに出席することができたのを大変うれしく思います。ご存じのようにこの団体は、カルカッタの近郊ベルルにある本部統轄のもとに、ヨーロッパ各地、南北アメリカおよびシンガポールその他にセンターをおく国際的な組織です。


 スワミ・ヴィヴェーカーナンダは師から、人類の幸せのために彼の教えを世界中に広めるよう命ぜられました。それでインド全域および海外諸国をまわって各地の霊的実情を観察した結果、師の教えを伝える機関としてラーマクリシュナ僧団ならびに奉仕団を設立したのでした。


 発足にあたってスワミジーがかかげた僧団の理想は、「自己(純粋自己)の開放のために、そして人類の幸せのために」というものでした。人類が個別的にも、また集団としても人生の目標を見いだすことができるよう、この二つの理想は常に互いに手を携えて行くべきものであります。


 シュリ・ラーマクリシュナにしたがえば、霊性は人生のあらゆる面、あらゆる活動分野を覆う、包括的なものです。彼は宗教を、人生の営みのただ一部を覆うものとはせられませんでした。彼によると宗教的と世俗的の区別はありません。全生活が最高目標に向かって導かれるべきであり、その目標は、一ことで言えば神の悟り、最高理想の完全な自覚です。


 この組織の活動を純粋なものたらしめるため、スワミジーは最初にはっきりと、この団体は政治には一切関与しない、と宣言しました。それは人と人の間に、宗派と宗派の間に、国と国の間に全く差別をおきません。全人類を言わば一つの家族と見なしています。


 この組織は前述の二つの目標によって導かれていますから、地域の必要に応じて、教育、保健、霊的向上という、あらゆる分野で活動しています。ヨーロッパ、アメリカの各地および日本におけるセンターの活動は、人びとの霊性の開発を目的としています。私たちの霊的生活に十分な注意が払われるなら、同時に生活全般に注意が払われることになるでありましょう。霊性はまさに私たちの存在の本質なのですから。これに関連して、シュリ・ラーマクリシュナは、ある民族の思想と理想は、その民族が長い歴史を通じて歩み慣れた道を通って到達されるものである、ということを常に心にとめておけ、という、明確な指示を与えておられます。霊性の団体は、各自の方法に従って人の霊的厚生のために働いているすべての宗派に対し、気をつけて同情と尊敬にみちた、心の広い態度をとるべきです。道のちがいは表面的なものにすぎず、本質的には私たちは同一のもの、すなわち私たちみずからの神的な本性を探し求めているのです。シュリ・ラーマクリシュナによれば、私たちは、自分の理想を人におしつけることをせず、「友情」と「謙虚さ」と「存在は一つ ( Absolute idea of Unity ) 」という観念をもって、相手が彼自身の道を進むのを常にできる限り助けるよう努めるべきであります。私たちがこの道を歩むにあたって、シュリ・ラーマクリシュナが強調なさったのは、自分の理想をただ他者におしつけることによって宗派運動とするようなことはするな、さまざまの宗教とさまざまな文化はすべて、唯一の目標に達するためのさまざまの道である、ということでした。その唯一の目標は、すでに申し上げたように、私たち自身の霊的本質の完成であります。


 シュリ・ラーマクリシュナが強調なさり、スワミジーもそれをさまざまの形で表現したもう一つのアイディアは、活動はすべてささげものとして行え、というものでした。働きは礼拝です。もし私たちがこの理想を厳重に守り、スワミジーの指示に忠実に従うなら、自分がしていることは神にささげる礼拝の一つの形に他ならない、ということを記憶すべきであります。そうすればそこには、自分は偉いという思いや自分の考えを他者におしつけようという考えは起こる余地がありません。私たちは常に、自分は神の召使、したがって神の子供たちの召使でもある、ということを記憶すべきです。人びとへの奉仕は、さまざまの神像を拝んでいることなのです。


 インドでは、霊的成長のための活動だけではなく、物質的奉仕、すなわち教育、保健、文化等のための活動も必要なのですが、西洋諸国や日本のように進歩した国では、世俗的活動は必要ありません。ですから、ここでは活動は霊的福祉の増進に限られています。霊的理想を広めることは、洋の東西を問わず、人びとのために絶対に必要なことです。どこにいても私たちは、たがいに助けあい、相手を非難したり見くだしすることなく仲よく生活することができよう、霊的境地を高め、社会環境を改善しなければなりません。自分にできること何でもを通じて世の人の幸せに貢献しようとするこの運動に、多くの方々の参加を希望します。


 私たちが一つの団体を形成しているのは、ある目的をもって働く場合には組織を持つ方が便利だからです。そうでなければ、スワミジーは団体をつくることを好まれませんでした。彼は、「団体の規則はすべて逆の効果をもたらす、人びとを束縛し、人びとの量見をせまくする。それでも、最初には規則は必要なのだ」と言われました。ですから彼は、互いに助け合うことを理想とし、他を教えることを理想とせず、他を教える代わりに自分を教えるべきである、とするような、規則を定められたのでした。最高の理想の下では、私たちはすべて一つの存在なのです。


 私たちがこの理想のもとに働くことができて自他ともに恵まれるよう、シュリ・ラーマクリシュナの、ホーリーマザーの、スワミ・ヴィヴェーカーナンダの、そして過去現在および未来の世界のすべての霊的指導者たちの恩寵を祈って、この短い話を終えます。

 

ラーマクリシュナ・ミッションの歴代ミッション長

 

スワーミー・ブラフマーナンダ(1901年 - 1922年)
スワーミー・シヴァーナンダ(1922年 - 1934年)
スワーミー・アカンダーナンダ(1934年 - 1937年)
スワーミー・ヴィギャーナーナンダ(1937年 - 1938年)
スワーミー・シュッダーナンダ(1938年 - 1939年)
スワーミー・ヴィラージャーナンダ(1939年 - 1952年)
スワーミー・シャンカラーナンダ(1952年 - 1959年)
スワーミー・ヴィシュッダーナンダ(1959年 - 1960年)
スワーミー・マーダヴァーナンダ(1960年 - 1965年)
スワーミー・ヴィレーシュワラーナンダ(1966年 - 1985年)
スワーミー・ガンヴィーラーナンダ(1985年 - 1988年)
スワーミー・ブテーシャーナンダ(1988年 - 1998年)
スワーミー・ランガナーターナンダ(1998年 - 2005年)
スワーミー・ガハナーナンダ(2005年 - 現在)