今月のニュースレター

 

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ヴェーダーンタ協会

日本ヴェーターンタ協会の最新情報

2018年8月 第16巻 第8号

 

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かく語りき―聖人の言葉

 

「宇宙の一切の力は本来われわれのもの。

われわれは目を自分の手でふさいで暗いといって泣いている」

 

…スワーミー・ヴィヴェーカーナンダ

 

「恐れるな。実在でないものは、かつて存在したことも将来存在することもない。

実在たるものは、これまで常に在り、決して打ち壊すことはできない」

 

…シュリー・クリシュナ

 

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今月の目次

 

・かく語りき―聖人の言葉

・2018年9月の予定

・大分サットサンガ

・三鷹サットサンガ

・多治見サットサンガ

・日本ヨーガ療法学会仙台大会

・夏季戸外リトリート

・忘れられない物語

・今月の思想

 

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2018年9月の予定

 

・9月の生誕日

 

Sri Krishna Janmashtami

Sunday, 2 Sep

 

Swami Advaitananda

Saturday, 8 Sep



・9月の協会の行事

 

※スワーミー・メーダサーナンダジー(マハーラージ)は、9月26日~10月23日に訪印するため協会を不在にします。

 

9月1日(土) 10:00〜12:00

東京・インド大使館例会  

講義:『バガヴァッド・ギーター』

場所:インド大使館

お問い合わせ:http://www.gita-embassy.com/お問合せ/ 

またはgitaembassy@gmail.com

入館・受講するには、大使館発行のIDカード(2018年後期分)が必要です。詳細は、協会ウェブサイトのページ左側にあるメニューから「インド大使館ID」をご覧ください。

 

9月2日(日) 14:00〜16:00

逗子午後例会  

場所:逗子協会本館

詳細は協会ウェブサイトをご覧ください。

お問い合わせ:benkyo.nvk@gmail.com

日程変更や中止になることがありますので、協会ウェブサイトで事前に確認してください。

 

9月8日(土)~10日(月)

今治サットサンガ

お問い合わせ:塩路 090-9542-1477

 

9月15日(土) 10:00〜12:00

『ウパニシャド』 スタディークラス

講義:『ウパニシャド』

場所:インド大使館

お問い合わせ:http://www.gita-embassy.com/お問合せ/

またはgitaembassy@gmail.com

※入館・受講するには、大使館発行のIDカード(2018年後期分)が必要です。詳細は、協会ウェブサイトのページ左側にあるメニューから「インド大使館ID」をご覧ください。

 

9月16日(日) 10:30~16:30

クリシュナ生誕祭

場所:逗子協会本館

聖句詠唱・聖典の輪読・講話・賛歌など

 

9月18日(火) 14:00〜16:30

『ラーマクリシュナの福音』の勉強会(第2火曜日開催)

場所:逗子協会本館

お問い合わせ・お申し込み:benkyo.nvk@gmail.com

詳細は、協会ウェブサイトの「Home」の一番下の方をご覧ください。

前日までに上記の宛先にメールで予約が必要です。

日程変更や中止になることがありますので、協会ウェブサイトで事前に確認してください。

 

9月22日(土) 13:30~17:00

関西地区講話

場所:大阪研修センター

内容:『バガヴァッド・ギーター』と『ウパニシャド』を学ぶ

詳細は専用ウェブサイトをご覧ください。 http://vedanta.main.jp/

 

9月23日(日・祝)~24日(月・振替休日)

福岡サットサンガ

お問い合わせ:協会 046-873-0428

 

9月28日(金)

ホームレス・ナーラーヤナへの奉仕活動

現地でのお食事配布など

お問い合わせ:佐藤 090-6544-9304 または urara5599@gmail.com

 

9月29日(土)~30日(日)

ナマステ・インディア(東京・代々木公園)

日本ヴェーダーンタ協会は「ガンガーCDショップ」という店名で出店し、書籍、CD他、多数の品物を特別価格で出品予定です。

参考: http://www.indofestival.com/index.html

 

9月 毎土曜日 10:15~11:45

ハタ・ヨーガ・クラス

場所:逗子協会別館

お問い合わせ:羽成淳(はなり すなお) 080-6702-2308

体験レッスンもできます。

予定は変更されることもありますので、日程は直接お問い合わせください。

専用ウェブサイトをご覧ください。 http://zushi-hatayoga.jimdo.com/

 

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大分サットサンガ

(荘田知美さん寄稿、一部編集)

 

2018年4月27日(金)~29日(日)の2泊3日、大分県臼杵市自然(じねん)ヨガ道場において、春のリトリートが開かれました。

 

今年のマハーラージの講話のテーマは「感覚と心の働き」で、去年話されたヤマ・ニヤマの復習と、ニヤマの説明の途中から、アーサナ、プラーナーヤーマ、プラティヤーハーラについて講話が行われました。参加者は約35名でした。

 

自然ヨガ道場は、神聖な雰囲気に包まれながらみんなで充実した時を過ごしました。

 

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三鷹サットサンガ

(町田 榮さん寄稿、一部編集)

 

5月27日(日)午後4時から6時30分にわたり、東京都三鷹市にある「癒しと創造のスペース沙羅舎」にてマハーラージの公開講座が開催されました。沙羅舎での講座は10年以上継続している年1回のマハーラージの講座で、今回のテーマは「私は誰ですか?」でした。参加者は30名を超え、毎年使用している沙羅舎2Fの約12畳の部屋からB1Fの広いイベント空間に急きょ移動して講座を開催しました。

 

最初にマハーラージは、25年間日本に滞在し、いろんな場所を訪問し、たくさんの日本人と交流してみて、皆さんはとてもいい人たちなのだけれど、現在の日本人は神、永遠、自己について深く考えていない事を述べられました。この発言は決して日本人を非難するためではなく、とても重要な人生の目的を知らずに生きていることがとても残念であり、ぜひそのことについて考え、探究して欲しいというマハーラージの願いであることを語られました。

 

そして今回のテーマである「私は誰か」の探究について、永続するものと束の間のもの、無限なものと限定されたもの、外界の出来事と内面の事柄について参加者全員に今この場で考えてみてくださいと問われました。そのあと「私は誰か」を探究するためには、各人格を構成している五つの領域を分析することの重要性、肉体、生命力、心、自我と知性、熟睡状態について、一つひとつ参加者と考えながら講座は進行しました。

 

そしてこれら五つの領域は全て永続しないことをゆっくり説明しながら、各人格の中で永続するものは何か、それこそが真の自己であることを述べられました。最終的に人間が神と呼んでいる事柄と自己とは同じものであると語られ、インド思想の精髄を教えられました。そして、それを理解する唯一の方法は瞑想、内省の実践であることを教えられ、参加者全員に今日から「私は誰か」の瞑想を実践されることを奨励されました。

 

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多治見サットサンガ

 

6月24日(日)、マハーラージは、岐阜県多治見市虎渓山徳林院で株式会社コンパスが開催したサットサンガに招かれました。今年で12回目の講話会は早朝7時からの瞑想会で始まり、『バガヴァッド・ギーター』の朗唱、朝食の後、午前10時からマハーラージが「聖典に学ぶ幸せになる方法、ヤマ・ニヤマ」をテーマに講話を行いました。参加者は41名。以下は開催リーダー・近藤彩香さんのレポートの抜粋です。

 

マハーラージは、幸せについて考える前に人生について深く理解をすること、突然幸せにはならないので幸せになるための準備としてヤマ・ニヤマがあることをお話しになりました。自分の心をコントロールして穏やかな究極の幸せな人生を得る方法。そのために人生ですべきこと、すべきでないことを学びました。

 

参加者の感想は、「自分を見つめ直すきっかけになればいいと思いました」「深いところまで考えることができました。自分の内を見つめる大切さ、幸せとは何か勉強になりました」「瞑想の大切さが分かったので実践します」など多数でした。

 

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日本ヨーガ療法学会仙台大会

 

7月5日(木)~7日(土)、第16回日本ヨーガ療法学会研究総会(宮城県・仙台国際センターにてアジアヨーガ療法協会会議と共催。会期は6日~8日)に「日本ヴェーダーンタ協会ショップ」として参加しました。

 

学会の顧問を務めるマハーラージは、6日(金)の全体プログラムの初めにヴェーダの祈りを捧げた他、ショップで書籍の説明をしたり、自著『輪廻転生とカルマの法則』にサインをして購入者に渡したりしました。以下は参加者・シャンティ泉田さんのレポートの抜粋です。

 

世界中からたくさんの先生方がいらっしゃったこの大会で、ショップを運営するボランティアは協会から3人、学会から4人の計7人。準備から片付けまで抜群のチームワークで、終始和やかに楽しく行うことができました。マハーラージの「お客様方の中に神様を見て働きなさい」というアドバイスを胸に、神聖な書籍、CD、雑貨などを大勢の方々に届けるお手伝いができ、とても充実した3日間でした。

 

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2018年夏季戸外リトリート

(新田ゆう子さんのレポートの要約)

 

7月14日(土)から16日(月・祝)、日本ヴェーダーンタ協会恒例のサマーリトリート(夏季霊性修養会)が行われました。場所は、世界遺産富士山の麓、山梨県・河口湖畔に建つホテル湖龍で、参加者は38名。内、初参加は5名、大半が関東からの参加で、関西から数名、熊本から1名。今年のリトリートの講話のテーマは、「ポジティブ・リビングとバガヴァッド・ギーター」でした。

 

午後6時。ホールに設えられたシュリー・ラーマクリシュナ、ホーリー・マザー・シュリー・サーラダー・デーヴィー、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダのお三方をお祀りした祭壇の前に全員が集まり、マハーラージの先導で「カーンダナ・バーヴァ・バーンダナ」と「サルヴァ・マンガラー・マンガーレー」の賛歌を歌いました。次は日本語の賛歌で、香川県善通寺の尼僧佐藤浄圭さんのギターとシャンティ泉田さんのキーボードの伴奏で「長い間」を、関西勉強会のメンバー大久保さんのギター伴奏で「ヴィヴェーカーナンダありがとう」を皆で歌いました。歌の後は『ラーマクリシュナの福音・要約版』を輪読し、マハーラージによる誘導瞑想で約1時間静かに座りました。

 

午後7時30分から、夕食は、「ドゥルガー女神への祈り」と『バガヴァッド・ギーター』の第4章24節(ラーマクリシュナ・ミッションでの食前の祈り)を唱えて始まりました。食事中は沈黙を守ることが決められていて、皆黙々と食べる行為に集中しました。食後は、食べ終わった人から『永遠の伴侶』の朗読を行いました。

 

夜8時30分から、ホールでサットサンガです。無駄な時間のないスケジュールは、心を余計なことにさまよわせなくて済み、リトリートという空間に集中できると感じました。マハーラージの指示で皆が輪になり、まず各々が自己紹介をしました。そして、『スワーミー・アドブタ―ナンダ』を朗読した後、マハーラージのお話に移りました。

 

今年はスワーミー・ヴィヴェーカーナンダが訪日して125年になり、この6月末にはスワーミージーが降り立ったとされる神戸で記念祝賀祭典が行われたばかりですが、マハーラージが来日された年はスワーミージーの訪日100周年の年だったそうです。そして、このサマーリトリートが1998年から始まったことと、サマーリトリートの目的は何かのお話がありました。

 

二日目は、朝4時30分頃から河口湖畔で瞑想をしました。ビニールシートの上に各々用意した瞑想マットを敷き、前夜マハーラージから説明されたやり方で、気持ちを内側に集中していきました。周りの音や気配などが全く気にならなくなってからだいぶ経った頃、マハーラージから終了を告げる「オーム」の聖音が発せられました。

 

ホテルへ戻り、ホールで、ヴェーダの祈り、『バガヴァッド・ギーター』のチャンティング、『仏教聖典』と聖書の朗読が行われました。その後、希望者はハタ・ヨーガに参加しました。講師は御茶ノ水ヨガアカデミー主宰の荒井弘人先生でした。輪になって先生の誘導で行われ、座っていた体を気持ち良く解放することが出来ました。

 

朝食の後、午前9時45分から約2時間、マハーラージが講話を行いました。講話のテーマである、ポジティブ・リビングとは何か?との問い掛けに続き、まず『ラーマクリシュナの福音』の中から2人の農夫の話をされ、様々な有名人や聖者の逸話を例に、ポジティブに生きる秘訣を軸に講話を進めて行かれました。

 

この頃より、湖畔で虫に刺されたらしいと、主に手足が腫れて赤くなる人が続出しました。幸い、参加者の中に内科医がいらして、薬を提供して下さいました。

 

12時のシュリー・ラーマクリシュナへのオファーリングの後、私たちも昼食。少し休憩をとって、午後2時から再び講話が始まりました。私たちは「力があってもそれを使っていない」、「ハエにならずにミツバチになる」、ロシアの作家トルストイの「三つの大事なこと=人・仕事・時間」の話が印象的でした。

 

この後、ホールでマハーラージを囲み集合写真を撮りました。そして、車で来た方のご協力を得て、数名ずつ車に分かれて乗り、近くの浅間(せんげん)神社と白い母の滝まで行きました。滝は大きく長く荘厳な雰囲気に包まれていました。マハーラージは傍の岩の上で瞑想されました。参加者は、お茶やお菓子をいただきながら休憩しました。

 

ホテルに戻るとすぐ、夕拝になりました。昨日と同様、賛歌の朗唱、聖典の朗読、瞑想を行いました。

 

夕食の後はサットサンガでした。まず、佐藤浄圭さんとシャンティ泉田さんのデュオで「ブラザーサン、シスタームーン」が披露されました。ギターとキーボードと綺麗な二人の歌声に筆者は思わず涙し、一緒に歌いました。それから、浄圭さんが参加者の分の歌詞カードを作ってきて下さった「いつでも何度でも」を、皆で歌いました。そして、大久保さんがギターの弾き語りをされました。続いて、ネパールを8回訪問されたことがある平野康之さんの体験談を皆で分かち合いました。

 

歌の中に「海の彼方にはもう探さない 輝くものはいつもここに わたしの中に見つけられたから」という歌詞があったことから、マハーラージは『福音』の中の、あちこち飛ぶことを止めて船のマストに止まっていることにした鳥の話を英語でされ、古い信者の村椿笙子さんが通訳し皆に伝えました。さらに、このテーマをシュリー・ラーマクリシュナの弟子が歌にしたとのことで、その歌「パーキ トゥイ ティック ボーシェ ターク(Pakhi Tui Thik Bose Thak)」を、マハーラージのハルモニウムの伴奏に合わせ皆で歌いました。

 

この歌詞は、次のような内容です。「マストはシュリー・ラーマクリシュナ、人々は(幸せを求め)あちこちに行くが、シュリー・ラーマクリシュナというマストに戻る。心は鳥、マストはシュリー・ラーマクリシュナ。あちこち飛んで行っても海の水だけだ。世俗の生活は海の様なもの。平安は見つけられない、だから、シュリー・ラーマクリシュナというマストに止まりなさい。神の名を唱えなければ、聖典を勉強するだけでは悟ることはきない。気をつけないと、誘惑と言う罠にかかってしまう。すると、狩人に捕らわれ殺されてしまう」

 

三日目の朝は、ホテルのホールでの瞑想から始まりました。朝5時からの瞑想というスケジュールにもかかわらず、5時前には沢山の方がホールに集まって集中を始められていました。

 

ヴェーダの祈り、『バガヴァッド・ギーター』第2章11節~30節の朗誦の後、マハーラージは、22節は有名ですとおっしゃいました。「人が古くなった衣服を脱ぎ捨て、新しい衣服に着替えるように、魂も、使い古した肉体を捨て去り、新しい肉体を纏っていくのだ」

 

ハタ・ヨーガ、朝食の後、9時45分から11時40分まで講話の続きが行われました。

 

「瞑想する時は自分の源とつながっている状態になる」

「神様は、生きている時、死ぬ時、死んだ後もサポートしてくれる」

「魂には、否定も肯定もない、本性を悟るために、絶対の自由を得るために、step by step 」

「ヒンドゥー教の考えは、天国に行くことが目的ではなく、永遠の自由を得ることが目的」
などの印象的な言葉で、講話は締めくくられました。

 

祭壇へのオファーリング、昼食の後、午後2時から3時30分まで、質疑応答や今回の講話に対するコメントを一人ずつ述べました。前回までに比べ参加者が少なかったせいか、質問では個人的な深い問題を話される方がほとんどで、自己開示しやすい雰囲気だったようです。会ったばかりの方同士もいたはずですが、参加者同士の距離が近かったリトリートになったと思いました。これも、もちろん、私たちを導いて下さっているシュリー・ラーマクリシュナ、ホーリー・マザー・シュリー・サーラダー・デーヴィー、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダのお三方の恩寵にほかなりません。

 

そして、優しい愛で教えを説いて下さったスワーミー・メーダサーナンダジー、何か月もかけ全てのアレンジをして下さった協会書記の鈴木敦さん、シャンティ泉田さん、ここに感謝の心と言葉を捧げます。

 

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忘れられない物語

 

「床屋と欲望の七つの壺」の例え話

 

ある床屋が、精霊の住む木の下を通り過ぎようとすると、不思議な声が聞こえてきた。「お前は、金貨の入った七つの壺を受け取るか」

 

床屋は辺りを見回したが、誰もいなかった。しかし、「金貨の入った七つの壺」という言葉に床屋は欲をかき立てられ、大声で言った。「ああ、受け取るとも」

 

すぐに声が返ってきた。「家に行け。壺はお前の家に運んである」

 

床屋は、この不思議な声が言うことが本当かどうか確かめようと、大急ぎで家へと走った。家の中に入ると、本当に壺が七つ、目の前に置いてあった。床屋は壺を一つひとつ開け、中が金貨でいっぱいなのを確かめた。しかし、七つ目の壺だけは金貨が半分しか入っていなかった。床屋の心に強い欲望が湧き起こった。「七つ目の壺も金貨でいっぱいにしよう」そうしないと、床屋は完全に満足できなかった。床屋は家中の装飾品を金貨に変えて七つ目の壺に入れたが、不思議なことに壺の中の金貨は少しも増えなかった。

 

ある日、床屋は王様に賃金を増やしてほしいと願い出た。「この収入ではやって行くのに十分ではありません」床屋は王様のお気に入りだったので、王様はすぐに賃金を倍にしてやった。床屋はこの賃金を一銭も使わず全て壺に入れたが、欲望の壺は少しも中身が増えなかった。

 

ついに床屋は、一軒一軒物乞いをして生活し始めた。しかも仕事の収入も物乞いで得た収入も、全てあの不思議な壺に入れた。数か月が過ぎ、哀れな床屋は日ごとにますます悲惨な状況になっていった。ある日、床屋の様子を見かねて、王様はこう言った。「賃金が今の半分だった頃、お前は幸せで、元気で、満足していた。だが賃金が倍になったら、むっつりして、やつれて、沈んでいる。一体どうしたというのだ。あの『七つの壺』でも手にしたのか」

 

この言葉に驚いた床屋は、「王様、誰からお聞きになったのですか」と尋ねた。

 

王様は答えた。「ヤクシャ(木に住む精霊)が七つの壺を預けた者にはこのようなしるしが出るというのを知らないのか。実は私も、ヤクシャから壺をやろうと言われたのだ。そこで、『貯めた金は使って良いのか、それともただ貯めるためだけなのか』と尋ねると、ヤクシャは答えぬまま逃げていった。お前は、その金は誰にも使えないのを知らないのか。この壺は、金を貯めたいという欲望だけをもたらすのだ。すぐに行って、返してきなさい」

 

賢明なる王の言葉に床屋はわれに返った。精霊の住む木の所に戻ると、床屋は言った。「ヤクシャよ、お前の金貨を受け取ってくれ」

 

ヤクシャは答えた。 「いいだろう」

 

床屋が家に帰ると、不思議なことに七つの壺は跡形も無く消えていた。そして、床屋が一生かけて貯めた金も全て消えていた。

 

…シュリー・ラーマクリシュナはある時こう言われた。「『肉欲と金(かね)』が束縛の元だ。『肉欲と金』とは世俗のことだ。誠に、神が見えないのは『肉欲と金』のせいだ」

 

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今月の思想

 

「私たちは、霊的な経験をする人間ではない。

人間の経験をする霊的存在なのだ」

 

…ピエール・テイヤール・ド・シャルダン

 

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発行:日本ヴェーダーンタ協会

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