今月のニュースレター

 

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ヴェーダーンタ協会ニュースレター(日本語版)

日本ヴェーターンタ協会の最新情報

202312月 第21巻 第12

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かく語りき――聖人の言葉

 

神は私に、ヴェーダが純粋霊だと述べているパラマートマンだけが、スメール山のように不変で、無執着で、快苦を完全に超えているのだとお示しになった。「彼」のマーヤーのこの世界には大きな混乱がある。人は決して「これ」は「それ」のあとにやって来るだろうとか、「これ」は「それ」をもたらすだろうとかいうようなことは言えないのだ。

…シュリー・ラーマクリシュナ

 

智慧とは「私は無である」と知ることであり、愛とは「私はすべてである」と知ることだ。私の人生はその二つの合間を流れていく。 

…ニサルガダッタ・マハーラージ

 

他人の悪口を言うことは、自分自身をほめるためのずるいやり方だ。そのような分かりやすい利己主義を克服しなさい。良いことや励ましの言葉を言えないなら、何も言わないほうがいい。多くの場合、何もしないことが善をなすことであり、何も言わないことは、常に賢明なことである。

…ウィル・デュラント

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目次

・かく語りき――聖人の言葉

・お知らせ

20242月の生誕日

2023年伊豆サマーリトリート

「心の津波」に抵抗する方法 パート1

スワーミー・メーダサーナンダ

・カーリー・プージャのご報告

・忘れられない物語

・今月の思想

 

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お知らせ

各プログラムに参加を希望される方はご一報ください。

・日本ヴェーダーンタ協会の行事予定はホームページをご確認ください。

https://www.vedantajp.com/

 

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20242月生誕日

スワーミー・ヴィヴェーカーナンダ   22日(金)

スワーミー・ブラフマーナンダ      211日(日)

スワーミー・トリグナティターナンダ   213日(火)

スワーミー・アドブターナンダ      224日(土)

 

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202398日~10

伊豆サマーリトリート 講義

「『心の津波』(ネガティブな感情の押し寄せ)に抵抗する方法」 パート 1

スワーミー・メーダサーナンダ

 

【聴衆への12の質問】

 

(1) 一番強いのは誰ですか?

答え:自分の心を制御できる人。ダシャラタ王は自分が最強であると考えていましたが、聖者に質問されると、自分の心や色情をコントロールできないことを認めざるを得ませんでした。戦いで非常に多くの民を征服したにもかかわらず、ダシャラタ王は自分自身を征服していなかったので、最強ではありませんでした。

 

(2) 誰が一番幸せですか?

答え:欲望のない人。いつも満足している人。

 

(3) 束縛されているのは誰ですか?

答え:執着のある人。そして私たちの最大の執着は、自分の体に対してです。

 

(4) 一番美しいのは誰ですか?

答え:心が美しい人。

 

(5) 一番醜いのは誰ですか?

答え:心が醜い人。

このことについて話があります。エイブラハム・リンカーンが大統領だったとき、ある小さな女の子が大統領に会いたいと家族に頼むと、父が大統領に手紙を書いてくれました。大統領から「どうぞ来てください」と了承を得ると、家族はホワイトハウスに向けて出発しました。父親はエイブラハム・リンカーンはカリスマ的人物ではあるが、非常に醜い人物であると少女に話しました。ホワイトハウスに到着するとリンカーン大統領は家族を非常に温かく迎えました。リンカーンは少女を膝の上に座らせ、しばらく陽気に話をしていると、少女が突然「お父さん、どうして大統領を醜いと言うの?大統領はとても美しいわ!」と言いました。リンカーンは内面がとても美しい人だったからです。

 

(6) 体は静止していても、常に動いているものは何ですか?

答え:心。心は猿のように常にあちらこちらに飛び跳ねています。また表面上は穏やかに見えても、心の中は灼熱の炎で満たされ今にも爆発しそうな火山や高炉のようです。

 

(7) 一番速いものは何ですか?

答え:心。なぜなら心はロケットよりも、さらには光よりも速く移動するから。

 

(8) 数えきれないくらいあるものは何ですか?

答え:思考。あらゆる瞬間に思考があり、思考には終わりがないから。

 

9) 私たちをある瞬間は神聖な状態に導き、次の瞬間には、動物の状態に導くものは何ですか?

答え:心。心はサムスカーラ、つまり多くの人生を通じて蓄積された行動パターンと思考パターンによるものです。まるでハエのように、時にはサンデーシュ(インドの甘いお菓子)に止まりますが、次の瞬間には糞に止まります。しかし、心が純粋な人は、途切れることなく心に神を留めます。私たちは他人を厳しく判断しますが、自分自身に対しては非常に寛大です。ですので、自分自身の状態を認識し、それを修正するために努力しましょう。

 

 (10) 形がないのに形があるものは何ですか?

答え:心。なぜなら心は認識したものの形に、心がなるからです。例えば鳥を見ると、心は鳥の形になります。認識したものの形になるのは、知性でも記憶でも自我でも感覚でもなく、心です。私たちのチャレンジは、あるものを見ても、心がその形にならないようになることです。

 

パタンジャリ・ヨーガスートラのチッタ・ヴリッティ・ニローダ※はそのことを意味しています。チッタ・ヴリッティとは、あるものを見ると心がその形になることです。しかし、チッタ・ヴリッティ・ニローダでは、見てもヴリッティ(形、波)が出ません。私たちは、心はあるものを見てその形になるから、好きなものを見て喜び、好きではないものを見て、苦しんだり悲しんだりします。その感じで心はいつも動いています。いつも心はうれしかったり、うれしくなかったりします。それが欲望、執着の原因です。心だけがそのことをできる、というのは、とても重要なポイントです。

※チッタ(心)、ヴリッティ(形、思いの波)、ニローダ(止滅する)

 

(11) 人を聖者にしたり、罪人にするものは何ですか?

答え: 一つの考えは、神の意志です。しかし、この講義の前後関係から言うと、私たちを罪人にするのは、「心」です。同じ一人の人間が、外からは何も変わらないけれど、罪びとが聖者になる時、その人の心、性格が変化しています。その例はさまざまな宗教にたくさんあります。バガヴァッド・ギーターは言います。

 

バガヴァッド・ギーター 第930

アピ チェート スドゥラーチャーロー バジャテー マーム アンニャ・バーク/

サードゥル エーヴァ サ マンタッヴャハ サンミャグ ヴャヴァシトー ヒ サハ//

たとえ極悪非道な者であったとしても、もしその者がひたすら私を信じ礼拝するならば、

彼は善人とみなされよう。なぜなら、彼は根本において正しい決意をしているからである。

 

とても楽観的ですね。望みがあります。私たちは心を変化させるだけで、聖者になれます。それは生まれながらに備わっている権利なので、誰でもできます。なぜなら私たちの中には魂があります。魂はいつも神聖で完全で純粋です。まるで青空のようです。外から見ると、雲も煙もありますが、もう少し中に行くと、きれいです。井戸を作るためにどんどん深く掘っていくと、最後にはきれいな水が出てきます。それと同じように、私たちが深く潜れば絶対に魂があります。

 

(12) 私たちの最大の友人であり最大の敵は誰ですか?

答え:心。

心がコントロールされていないときは最大の敵となり、コントロールされているときは最良の友人になります。

 

バガヴァッド・ギーター 第65

ウッダレード アートマナートマーナン ナートマーナン アヴァサーダイェート/

アートマイヴァ ヒ アートマノー バンドゥル アートマイヴァ リプル アートマナハ

人は自分の心で自分を向上させ、決して下落させてはいけない。

何故なら、心は自分にとっての親友であり、かつまた同時に仇敵でもあるからだ。

 

これは人生のためにとても重要です。私たちは困ったときに他の人のせいにします。誰のせいにもできないときには、神様に責任を押し付けます。しかし、自分の状態を作っているのは自分です。 私たちは自分の責任を認めることが大事です。ナポレオンはセントエレナ島に島流しにされたとき、内省して言いました、「現在の状態について責任があるのは私だけであり、他の誰でもない」。 皆さん、もし直したいなら、他の人に対して文句を言わないで、自分責任を認めてください。スワーミージーも、「責任を自分で負いなさい」といつも勧めました。自分の現状を他人のせいにしていては、絶対に進歩しません。状況を変えるために何ができるかに注意を払ってください。

 

65節ではアートマンという言葉が出てきますが、それは魂のことではなく、心のことです。そして次の節では、何の状態で心は自分の友達になり、何の状態で敵になるかを説明しています。

 

バガヴァッド・ギーター第66

バンドゥル アートマートマナス タッシヤ イェーナートマイヴァートマナー ジタハ/ 

アナートマナス トゥ シャットルットヴェー ヴァルテータートマイヴァ シャットルヴァト//

自我心を克服した人にとって、心は最良の友であるが、

それを克服できない人にとっては、心こそ最大の敵となる。

 

これで、自分の心のコントロールがどれくらい大事かが分かります。私たちの最大の敵は自分の内側に住んでいるので、簡単に逃げることはできません。心がコントロールされていないとき、心は敵です。その敵は、影のように私たちについてきます。ですので、私たちは心を変容させて純粋にしなければなりません。心を友とするのです。純粋な心は私たちの導き者になります。しかし、不純な心は私たちを地獄に連れて行きます。今もし私たちの中に、貪欲、怒りなどがあれば、心は不純ということなので、地獄に行かなくてはなりません。しかし、心が純粋になると、心は天国へと導いてくれます。なぜなら心の源はアートマン、魂だからです。シュリー・ラーマクリシュナは言いました。「純粋な心、純粋なブッディ、純粋なアートマンは同じです」

 

純粋になるためには、Die before death「死ぬ前に死ぬ」。心を生まれ変わらせてください。聖書も「新しく生まれなければ、神の国を見ることはできない」(ヨハネの福音書3:3)と言います。自分の心をコントロールできなければ、執着、欲望がでます。そこからさまざまな問題が出ます。識別もできません。そして集中ができず、そのために間違いを犯します。またエゴが強いと人間関係でも問題を引き起こします。そして幸せにはなれません。

 

もし、心をコントロールできれば、エゴが減り、人間関係が円滑になり、見返りを求めずにお世話ができ、執着なしで純粋な愛ができます。識別もできます。仕事も迅速に完璧にこなすことができ、勉強も効率よくできるようになります。

 

もう一つ大事なことは、自分のレベルがどれくらい進んでいるかのチェックが必要だ、ということです。進んでいる人と進んでいない人がいます。進んでいない人の原因は何でしょうか?長年神聖なことを勉強していても、性格があまり変化していないのはなぜでしょうか? その答えとして物語を話します。

 

「三つのドクロの物語」

 

インドの賢王ヴィクラマーディティヤは、問題に対して常に判断をして正しい答えを出すことができました。ある時、ひとりの男性が王に尋ねました、「王様、ある人が私のもとにこの三つのドクロを持ってきました。どのドクロが、生前最も賢い人だったのかを教えていただけますか?」。 すると、王はすぐに棒を持ってくるように申しつけました。

 

王が棒を一つ目のドクロの左耳に差し込むと、棒は右耳からまっすぐに出てきました。

王は二つ目のドクロにも棒を左耳から入れました。すると棒は口から出てきました。

最後に王が三つ目のドクロにも左耳から棒を差し込むと、棒はどこからも出てきませんでした。

 

そこで王は三番目のドクロが生前一番賢い人だった、と裁定しました。一人目の人は、聞いたものは何でも片方の耳から入り、もう片方の耳から出るので、何も残らない。ゆえに賢明ではない。二人目の人は、聞いた多くの事をすべて話したので何も残らない。だから彼も賢明ではない。しかし、三人目の人は、聞いたことをすべて心に留めたので賢明である。つまり、三人目の男性は注意深く耳を傾け、実践をして、聞いたことを身につけたので、聞いたことを保持することができました。

 

同じように、講義の参加者にも3種類あります。残念なことに、三番目のドクロのような人は少ないです。そしてそれが進まない原因です。この物語の教えは、「実践しましょう、実践しましょう、実践しましょう」です。

 

『ラーマクリシュナの福音』の中にも同様の例があります。牛乳の中には絶対にバターがあるけれど、目の前の牛乳に向かって「バターが欲しい」と言っても、牛乳はバターには変わらない。また、池のほとりに座って「魚を食べたい」と言っても魚は捕まえられません。また、ただお金が欲しいと言っても、お金は手に入れられません。それらを手に入れるためには一生懸命働かなければならないように、自分の心をコントロールし、心の平安と至福を得る、という目標に達するためには、一生懸命実践しなければならないのです。

 

そのためには、否定的な感情の高まり、心の津波に注意してください。地震が起きると津波が発生します。しかし、心の津波は、やる気のなさや、感覚と心を自由にさせた結果として、ゆっくりゆっくりと溜まって、突然出ます。津波の特徴は三つ、「強い、早い、突然」です。心の津波も同じです。早くて強い否定的な感情が出ます。肉欲(カーマ)、怒り(クローダ)、欲望(ローバ)が津波のように押し寄せてきたときに、抵抗することは非常に難しいです。ですので、否定的な感情が小さい状態の時から気をつけなければなりません。その種類の感情が急激に高まると、抵抗できません。本当はいい人なのに、長い間に積もった怒り、欲望、貪欲が制御不能になり、衝動的に罪を犯してしまう人もいます。だから最初から気を付けてコントロールし、ネガティブな方向に向かうあらゆる小さな思考や波もチェックしなければならないのです。

 

そのためには、四つの大事なことがあります。

 

1)なぜ心をコントロールしなければならないか、その「目的」を知る。

2)どのようにして心をコントロールするのか、その「方法」を知る。

3)「忍耐」

4)「愛」

 

心は象のようです。象は巨大で強く、特に野生の象は非常に乱暴です。しかし、タイのようなアジアの国々では、象を子供でも飼い慣らして命令に従わせることができます。象を飼い慣らす「目的」は、主に農耕を手伝わせるためです。そのためにさまざまな「方法」を駆使して飼い慣らします。そしてそれには、長期間にわたる「忍耐」と象に対する「愛」が必要です。

 

私たちの「象のような心」を飼い慣らすことはさらに難しいですが、それができれば私たちの大きな助けとなります。

 

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カーリー・プージャのご報告

 

1112日(日)午後645分から午後930分まで、協会別館にてマザー・カーリーへの礼拝が執り行われました。プージャの儀式として、供物奉献、アーラティ、信者による献花、賛歌斉唱などがありました。続いてホーマ(護摩焚き)の儀式が行われ、最後にプラサードが夕食として信者たちに振る舞われました。参加した約135人の信者は、静謐な雰囲気のプージャを喜び、プラサードをいただきました。

 

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忘れられない物語

「自由なオウム」

 

自由の戦士である勇者が山中を旅していた。男はある夜、隊商宿(キャラバンサライ)に泊まった。男は、隊商宿の金色の鳥かごに入った美しいオウムが「自由!自由!」と繰り返すことに驚いた。オウムの「自由!」は、山々や渓谷にこだました。

 

「私はこれまでたくさんのオウムを見てきた。そしてそのオウムたちは鳥かごから自由になりたいに違いない、と思っていた…しかし、朝から夜に眠りにつくまで一日中『自由』と叫ぶオウムなんて見たことがない」

 

男はあることを思いついた。男は宿主がぐっすり眠っている夜中に起き上がって鳥かごの扉を開けてオウムに「さあ、出て行きなさい」とささやいた。しかし驚いたことに、そのオウムはかごのバーにしがみついている。男は何度も言った。「おまえは自由を忘れたのか? さあ出て行きなさい!ドアは開いているし、宿主も眠り込んでいるので誰にもバレない。さあ、空に向かって飛び立て。大空がお前の住処だ」

 

しかし、オウムがあまりにも必死で強くしがみついているので、男は言った。「いったいどうしたというのだ? お前は馬鹿か?」 男がオウムを手で連れ出そうとすると、オウムは男をつつき出した。そして同時に「自由!自由!」と叫んだ。 夜の谷に「自由」が響き渡った。しかし自由の戦士である男も屈しない。オウムを引っ張り出して大空に放り投げた。手にけがをしたが、満足だった。オウムの必死の攻撃に遭ったが、一つの魂を解放したことに大いに満足して眠りについた。

 

朝、男が目を覚ますと、オウムが「自由!自由!」と叫ぶのが聞こえた。オウムは木か岩の上に座っているに違いないと思ったのだが、外に出てみると、オウムはかごの中にいた。かごの扉は開いていた。

…オショー 

 

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今月の思想

 

お釈迦様はある愚か者がお釈迦さまに向かって暴言を吐くのを黙って聞いていたが、男が話し終えるとこう尋ねた。

「息子よ、もし贈り物を受け取ることを拒否したら、それは誰のものになるだろうか?」 

愚か者は「差し出した人のものだ」と答えた。

「息子よ」とお釈迦さまは言った。「私はあなたの暴言を受け取らない。だからあなた自身のものとして持っておきなさい」

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